2023年12月8日に公開された「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」は、公開から1か月経っても勢いが衰えず興行収入39億円を記録しています。
若手俳優の中でも演技派で実力のある福原遥さんと水上恒司さんがダブル主演を務めており、公開前からSNS上で「とにかく泣ける」「感動して涙が止まらない」と話題になりました。
感動のシーンが各所に散りばめられていますが、ラスト、予想外の展開に映画一番の感動が待っています。そんなラストシーンも詳しくネタバレありでレビューしていきます。
映画館でもラストは、泣き声を堪えきれない人が多数いました…
この記事には「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」のネタバレを含みます。映画の鑑賞がまだの方はご注意ください!
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公開日 | 2023/12/08 |
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監督 | 成田洋一 |
原作 | 汐見夏衛 |
脚本 | 成田洋一・山浦雅大 |
主題歌 | 福山雅治「想望」 |
上映時間 | 2時間7分 |
配給 | 松竹 |
上映劇場 | https://movies.shochiku.co.jp/ano-hana-movie/theater.html |
【あの花が咲く丘で君とまた出会えたら】ネタバレあらすじ
「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」は小説の人気がとても高く、公開前から話題沸騰していました。
映画化には通常賛否両論分かれますが、本作はファンの間でも待望の映画化だったようです!
話自体はフィクションですが、出来事としては本当にあった時代のお話です。
本作は「特攻隊員」に焦点をあてて作られた物語で、実際に特攻隊員として亡くなっていった方がいます。
過去に本当にあった戦争と特攻隊員の実在に、歴史に興味をもつ若者が増えているようですね。
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1945年にタイムスリップした高校生の百合
学校や親に苛立ちを募らせる毎日を送っていた百合は、ある夜母親と大喧嘩をし家を飛び出します。
豪雨の中飛び出した百合に、行く当てはなく通学路にある防空壕跡で一晩を過ごすことにしました。
外は豪雨ですが、防空壕跡の中は静まり返っています。
百合が眠りにつき次に目が覚めると、なんと1945年にタイムスリップしていたのです。
特攻隊員・佐久間彰との出会い
突然タイムスリップしてしまった百合はパニックに陥ってしまいます。
水も食料も行く当てもなく、体力も限界に近づいていたとき百合は彰と出会いました。
現代の学生服を着ている百合を町の人は不思議そうに眺めるだけでしたが、疲弊して動けなくなっている百合に彰は水を差し出しました。
困っている人に手を差し伸べる彰の心の綺麗さや優しさが表現されています。
彰は百合を鶴屋食堂に連れて行き、食事を振舞ってもらえるようにお願いをしてくれました。
拠り所のなかった百合が、彰の優しさに触れ心を開いていきます。
惹かれ合う百合と彰
彰に何度も助けられた百合は彰のことが気になっていましたが、彰に妹のようだと言われ特に恋愛の進展はありませんでした。
お互い言葉に出すことはありませんでしたが、2人はどんどん惹かれあっていっていることが見てとれる情景で描かれています。
そんな中突然空襲がおき、百合は怪我をしてしまいます。
火の手が迫ってどうにもできず、既に街の人は逃げており、助けてくれる人もいない状況で、百合は泣き叫びます。
そんな中危険を顧みず助けに戻ってきてくれたのが彰でした!
彰は動けない百合を背負い逃げ、命を助けてくれました。
ここから互いに大切な人という認識が生まれ、惹かれあっていきます。
現代の高校生から見た戦争とは
本作では、現代の百合の考え方と戦禍を生きる彰の考え方や価値観の違いも見どころのひとつです。
彰と同じ隊の1人板倉が、特攻前日に逃げ出してしまうシーンで、隊員が逃げる板倉に対して恥だと罵倒しているときに百合は「生きたいって思うことのなにがいけないの」と涙ながらに訴えました。
生きることが当たり前に許される現代で、国のために死を選ぶこと・国がそのような命令を出していることが理解できないのです。
百合と同じく現代を生きる私たちも、百合の言葉に強く共感するため、観ていてとてもやるせない気持ちになります。
【あの花が咲く丘で君とまた出会えたら】ネタバレありで最後を解説
衝撃のラストに涙が止まらないと話題のシーン。
それは、タイムスリップから現代に戻った百合が知る本当の彰の想いでした。
決して悲しみだけでは終わらない、観た後に自分の大切な人たちの事を思ってしまうようなラストになっています!
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彰の特攻隊員としての役目
映画では彰が飛びたった瞬間に、百合が現代に戻ったのでその後どうなったのか分かりませんでした。
しかし小説では、飛び立った後の彰の悲痛な想いが描かれているのです。
百合と別れ、飛び立った彰は、百合には言えなかった「本当は生きたい」「百合と生きていきたかった」という想いを抱えつつ「でもここで任務を放り投げると家族や親族が裏切り者のレッテルを貼られ生きていかなきゃいけなくなる」という現実に葛藤していたことが明らかになりました。
こんな想いを抱えていたことは、映画を見ただけではわからないので、原作ファンからも映画化するならここまで描いてほしかったという声もあるほどの感動シーンです。
百合が読んだ手紙の意味とは
現代に戻った百合は学校の行事で、「予科練平和記念館」に行きました。
予科練平和記念館には特攻隊の名前や実際の航空機、家族に宛てた手紙が展示されています。
そこで百合が見たものは、なんと彰が残した百合への手紙でした。
お互いに惹かれ合っていたのに想いを伝え合うことが叶わなかった2人でしたが、百合は時を越えて彰の本当の想いを受け取ります。
手紙には、「君を妹みたいだと言ったが、すまない、あれは嘘だった 俺は君のことを愛していた」と綴られていたのです。
「戦争のない時代に生まれていたのならば、君と共に一生を過ごしたかった」
彰の想いを知り、百合はその場で泣き崩れてしまいます。
今から死んでしまう運命だからこそ、直接伝えることができず、出撃にいってしまった彰。
彰の隠された本当の気持ちは、正直でまっすぐな彰を表しているようでした。
2人の切ない恋の行方は
彰に特攻命令が下り、彰と百合は2人の思い出の地、百合の咲く丘で会う約束をします。
2人で過ごす最後の時、彰は百合に胸に秘めていた教師になりたかったと百合に話しました。
戦争がなければ、2人でこの先も笑いあえただろうと。
彰の話を聞いた百合は、「ふたりで逃げよう」と提案しますが、彰は聞き入れてはくれませんでした。
そして最後までお互い気持ちを伝えることができないまま、彰は出撃に行ってしまいます。
言葉なくとも伝わる二人の愛を表している演技に、引き込まれます!
出撃の朝、もうお別れはしたからと百合はお見送りにはいかないと言い、食堂にひとり残っていると、彰から百合にあてた手紙が残されていたのです。
手紙をみた百合は、読む間もなく彰のもとに走ります。
百合が「あきらー!」と呼ぶ声に押されるように、彰は飛び立っていきました。
とても切ない2人の恋は、悲しい結末で終えてしまいました。
【あの花が咲く丘で君とまた出会えたら】ネタバレ解説:原作オリジナルは小説
小説投稿サイト「野いちご」で『可視光の夏-特攻隊と過ごした日々-』(原題)として公開され、2016年7月に改題の上、スターツ出版文庫として刊行されました。
タイトル | 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』 |
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著者 | 汐見夏衛 |
出版社 | スターツ出版 |
掲載サイト | 野いちご |
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原作と映画の違いは?
最も原作と違う点は、百合の年齢です。
映画では高校生という設定でしたが、原作での百合の年齢は中学2年生です。
やはり役者を立てるにあたって設定が中学生だと、配役が難しいので高校生まで年齢設定をあげたのではないかと思われます。
年齢以外の大筋の部分は同じなので小説を読んでいなくても楽しめます!
しかし映画は百合目線で描かれているため、彰の心情や他の登場人物の心情は描ききれていません。
原作をみれば更に一人ひとりの人物に感情移入することができます。
続編小説「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」
実は「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」の小説には、続きがあります!
しかし映画では続編の話は、今のところないようですね!
続編も見てみたい…
続きの小説のタイトルは「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」です。
「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」は百合が現代に戻った後の話です。
しかし主人公は百合では、ありません。
涼という百合に想いを寄せる男の子が主人公です。
転校してきた学校に百合がいて、どこか大人びた雰囲気の百合に涼は惹かれていきます。
しかし、告白をしようと決意したとき百合から自身に起こった75年前の戦時中にまつわる驚くべき話を聞かされます。
映画が大ヒットしたので、「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」の映画化も考えられますが、彰と百合に幸せになってほしかったという思いから新しいストーリーには賛否両論わかれそうです。
★「あの花」原作小説を読んでみる
【あの花が咲く丘で君とまた出会えたら】キャスト一覧とW主演の解説
役名 | キャスト | 役柄 |
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加納百合 | 福原遥 | 主人公。過去にタイムスリップしてしまう |
佐久間彰 | 水上恒司 | 百合を助ける。まっすぐで優しい心をもつ特攻隊員 |
石丸 | 伊藤健太郎 | 彰と同じ特攻隊の一員 |
板倉 | 嶋崎斗亜 | 彰と同じ特攻隊の一員 |
寺岡 | 上川周作 | 彰と同じ特攻隊の一員 |
加藤 | 小野塚勇人 | 彰と同じ特攻隊の一員 |
千代 | 出口夏希 | 近所の魚屋の娘。百合の友人となる |
ヤマダ | 坪倉由幸 | 百合の担任 |
ツル | 松坂慶子 | 鶴屋食堂の女将 |
加納幸恵 | 中嶋朋子 | 百合の母 |
百合役・福原遥さんと彰役・水上恒司さんのW主演
若手俳優の中でも、実力派のお二人が演じるとあって期待値が高かった本作。
百合と彰を演じる際の心境をインタビューで答えていました。
福原「監督からは初対面の時に『百合を任せます』という言葉をかけていただいたので、いい意味でプレッシャーを感じましたし、原作が持つメッセージをしっかりと伝えられるように演じなければと思ったのを覚えています」
水上「僕は親族が広島にいて、僕自身も長崎の高校に通ったことがあったのと、小学3年生の時に夏休みの課題で原爆ドームの絵を描いたりしていたので、本作のお話をいただく前から“戦争”と向き合う機会が結構あったんですね。
なので特攻隊員の彰という役に不思議な縁を感じましたし、福原さんと同じく、どうすれば本作のメッセージをちゃんと伝えられるのかをものすごく考えながら役作りしなければと思いました」
現代に生きる人たちにも共感『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』福原遥×水上恒司インタビュー (1/3) – SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン) より引用
戦争というテーマを扱う作品だっただけに、作品の内容やメッセージを観ている人に伝わるようにと励まれたことがわかります。
二人の清純なイメージが、彰と百合にぴったりでした!
【あの花が咲く丘で君とまた出会えたら】ネタバレ最後のまとめ
百合と同じように、戦争を知らずに過ごして生きた若者も多いと思います。
公開前にSNSで話題になったこともあり多くの若者が、「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」を通して戦争に触れるきっかけになったのではないでしょうか。
百合の気持ちを考えると胸が苦しくなり、報われない恋愛に悲しくなりますが、当たり前に過ごしている今この時間も、家族や友人の存在も、かけがえのないものだと、見たあとに学べる作品です。
公開から2か月経っても尚、ロングヒット公開をしているため映画館で鑑賞できます。
まだ見ていないという方は、まだ間に合うので是非見てみてください!