「プー あくまのくまさん」は、1926年に出版されたA・A・ミルンさん著『クマのプーさん』という児童小説“のみ”を元にした映画です。
原作小説以外のモチーフは存在しないことを大前提として、ネタバレも交えて紹介します!
2024年8月9日公開の2作目を見たいけど勇気が…と思っている方はぜひこのレビューを見て判断してください。
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この記事には映画の結末や重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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公開日 | 2023/1/26 |
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監督 | リース・フレイク=ウォーターフィールド |
原作 | A・A・ミルン E・H・シェパード(キャラクター創作) |
脚本 | リース・フレイク=ウォーターフィールド |
キャスト | ニコライ・レオン マリア・テイラー ナターシャ・ローズ・ミルズ クレイグ・デヴィッド・ドーセット ほか |
音楽 | アンドリュー・スコット・ベル |
上映時間 | 1時間24分 |
配給 | Altitude Film Distribution アルバトロス・フィルム(日本) |
公式サイト | 「プー あくまのくまさん」公式サイト |
上映劇場 | 「プー あくまのくまさん」上映劇場 ※公開当時の情報です |
プーさんホラー映画【プー あくまのくまさん】のネタバレあらすじ
気になっている方も多い「プー あくまのくまさん」のあらすじをラスト・結末まで紹介します。
ホラー好きの筆者ではありますが悩みに悩み抜いたすえ、あらすじの一部を省略しています。
※大筋には直接関係ない内容なのでご了承ください。
起:100エーカーの森
クリストファー・ロビンは、婚約者のメリーを連れて100エーカーの森へやってきました。
森に入るのは、大学進学のためやむを得ず家を出た5年前以来です。
クリストファーは、5年前まで、森のなかでプーというクマと遊んでいました。
プーのほかにも、ピグレットというブタや、イーヨーというロバもいて、みんなで仲良く暮らしていたのです。
プーたちをメリーに紹介したい一心で100エーカーの森へ入るクリストファー。
メリーは、言葉を話すクマやブタの存在を信じきっているクリストファーを心配しきりです。
メリーの制止もきかず、森の奥へとすすんでいくクリストファー。
やがて雨が降りだし、いよいよ恐ろしくなってきたメリーは、何度もクリストファーをたしなめますが、やはりクリストファーはプーたちを探し続けます。
大好きなメリーのことガン無視で草
すると、凶暴化したプーとピグレットが現れ、メリーを殺してしまったのです。
言わんこっちゃない
実は、プーたちはクリストファーの成長をよろこんでおらず、「見捨てられた」と怨みを募らせていたのです。
クリストファーを失ったプーたちは、しだいに野生にかえっていきました。
プーたちは、森に入った人間を殺しまくっていたのです。
…人類のこと怨みすぎてて野生どころの騒ぎじゃないけど。一応前置きはこんな感じで
承:バカンス
一方その頃、とある小部屋で、マリアという女性がカウンセリングを受けていました。
ストーカー被害に遭い心身が弱っているマリアに、担当医は日常から離れてリフレッシュすることをすすめます。
そうして、マリアは友人4人と人里離れた小屋へと向かうことに(6人めに小屋へ到着するはずだった友人のエピソードは、ややこしいだけで必要性を感じないので省略・本編参照のこと)。
小屋は一見すると小ぶりなのに、屋内プールや屋外ホットタブがある“スプラッター映画向き”の謎空間
友情の成り立ちが気になる、趣味嗜好がてんでバラバラなマリア・ララ・ゾーイ・アリス・ジェシカの5人は、各々山小屋を満喫し始めました。
転:殺戮開始
日も暮れ、屋外のホットタブに浸かりインスタ制作に勤しむララ。
早速、プーとピグレットに殺されてしまいます。
ビ◯チから死ぬのはお約束、ただそれだけ
ララを車で轢き殺した際の血で、「GET OUT(出ていけ)」と小屋の窓にメッセージを残すプー。
ストーカーの存在を思い出し錯乱するマリアでしたが、友人たちが気を回し、局面を打開しようと試みます。
そういえばマリアのバックボーン今まで忘れてた!となりますが、もう忘れてOKです
あっという間にゾーイも殺され、残るはマリア・アリス・ジェシカの3人に。
そこで偶然3人は、吊るされた状態のクリストファー・ロビンを発見します。
すぐにクリストファーをおろしてやる3人ですが、感謝もそこそこに怒鳴りつけてくるクリストファー。
キモ
(ここで登場する新キャラの女性がいますが、ややこしいだけなので省略・本編参照のこと)
ついにプーたちの手によってアリスも殺され、残るは2人となりました。
結:クリストファーの選択
マリアとジェシカが逃げまどっていると、山賊風のおじさんたちがやってきて、プーに立ち向かいます。
おじさんたちはすぐに粉々の肉片にされ、気づけばジェシカも首ちょんぱされてしまいました。
絶対絶命のマリアの前に、救世主よろしくクリストファーがやってきます。
しかし、クリストファーの突撃も虚しく、マリアもまたプーの手でグチャグチャに潰されてしまうのです。
クリストファーは、「わあぁ」といって逃げていきました。
完…。
プーさんホラー映画【プー あくまのくまさん】ネタバレ解説:ひどい!なぜホラーに?
ホラー映画が好きな筆者ですが、久しぶりに「うーん…」と頭を抱え込んでしまいました。
この映画のネタバレになる部分や、なぜプーさんがホラー映画になってしまったのかについて解説します。
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「プー あくまのくまさん」ラスト・結末の解説
「ファッ◯ユー!!」と叫びながら救世主的に登場したクリストファー・ロビン。
いま殺されんとあえいでいるマリアと、表情ひとつ変えず(ゴムでできていそうなマスク仕様なので変えられない・あとで解説します)君臨するプーに迫るクリストファーですが、勢いだけーッ!!
かつて仲良くしていたプーの闇堕ちに、クリストファーこそ怒りを持ってしかるべきなのに、そんな設定は彼の原動力にもなりません。
婚約者殺されてんだぞきみ
結局順番通りマリアにも死は訪れ、来てみたもののまじで何もできなかったクリストファーは「わあぁ」といって逃げていきました。
カタルシスも何もないプー無双
侘び寂びを感じられないキャラクター造形ふくめ、日本とはかけ離れた価値観をもつ世界の国々に思いを馳せたりもしました。
「プー あくまのくまさん」なぜホラー映画になった?
先ほど少しふれましたが、A・A・ミルンさんが書いた小説「クマのプーさん」は、出版された1926年から95年の保護期間が過ぎました。
よって2022年に“パブリックドメイン”となり、やたらと嗅覚のよい映画制作チームに発見され、速攻で“イーヨーに”使われた、ということです。
なんつって
著作物や発明などの知的創作物について、知的財産権が発生していない状態または消滅した状態のことをいう。
ーパブリックドメイン/引用元:Wikipedia
著作物(著作権)や発明、商標などといった無体物について、その創出者に対して与えられる、民法上の所有権に類似した独占権である。
ー知的財産権/引用元:Wikipedia
ちなみに、プーさんのなかまとして有名なティガーは、初登場がプーたちより少し後だったそう。
よってまだ保護期間内にあり、パブリックドメインになっていないため、映画には登場しませんでした。
「プー あくまのくまさん」に続編が…!?
なんと、2024年8月9日より続編である「プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち」が公開されます。
様々なサイトで見られる世間の期待度、その異様な低さはオリジナルの“ひどさ”によるものでしょう。
公式に寄せられた各プレスによるコメントも、どうとでも取れるふくみを持たせたものばかりで勉強になります。
まぁ、一直線なプー無双なので続編つくり放題なんだけどさ…
プーさんホラー映画【プー あくまのくまさん】ひどいと言われる理由は?
やはり”こういう”映画になってしまったので、観客の反応ももちろん賛否両論…。
賛否の賛がいることにもちょっと疑問を抱いてしまうのですが、”ひどい”と言われてしまう理由を真面目に解説してみました!
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①プーさんの面影がゼロ過ぎてひどい
面影はゼロ以下です。
前述したように、ゴムでできていそうなマスクをかぶったおじさんなので、手なんて人間。
まあまあ身長も高く、その長身をすばやくグルンッと半回転させて振り返ってくるので情緒もゼロ以下です。
そしてこれはピグレットが如実ですが、首のところまでしかゴム仮面がない…?ので、ブタと人間の繋ぎ目が見えます!
笑い飯やん
100エーカーの森、そしてキャラクターの名前だけが原作のDNAをふくみますが、もはや“動物の仮面をかぶったシリアルキラーである”と思って観た方がしっくりくるまであります。
リース監督がインタビューで「子供の頃の思い出を破壊する時間だよ」と発言したらしいですが、プーじゃなさすぎてイメージが重ならないので、破壊には至りません。
安心して観てください
②暴力描写が度を過ぎていてひどい
たしかに暴力描写はすさまじく、スプラッター映画としての基準ラインは軽くクリアしていると思います。
ただ、前述したようにキャラデザが崩壊しているのならば、せめて暴力描写くらいしっかりやってくれないと、観るところがないでしょう。
そんな厳しい視点から考えると、やはりチープなB級描写にとどまるリアリティ皆無な血祭りは果たして正解なのか。
ストーリーもあったものではないのだから、せめて暴力描写はもうちょっとがんばった方が良いのではないか。
個人の感想です!
正直、ミステリー/サスペンスとして楽しめる要素はないので、ホラー映画として本作を語るには、もう少し怖がらせてほしいというのが正直なところです。
そりゃ“プーさん”がやってることとしてはひどすぎることこの上ないんだけど、それを言っちゃあ…
③”褒め言葉”としてのひどい
ホラー映画を愛する民はやさしいのです。
1度きりの人生、そのうち84分をドブに捨てるような思いをさせられたとしても、責めるのは選択をした自分のみ。
間違っても制作者に唾を吐くようなことはしないのが、誇り高きホラーファンというものなのです。
…そう自分に言い聞かせながら、エンドロールをにらみつけていた私はまだまだ若輩者です
もしあなたが本作を褒めているレビューに出会ったら、そのレビュー主はとてもやさしいに違いありません。
きっと、おおらかに日々を過ごし、小さなことをとがめず、笑顔の多い人生を送っていることでしょう。
本作を褒めれるくらい大きな人間に私はなりたい
プーさんホラー映画【プー あくまのくまさん】印象的なキャスト(ネタバレ)
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①プー役/クレイグ・デヴィッド・ドーセット
印象的すぎてとんでもない本作の主人公・プー。
何がどうあれ、俳優には一切の落ち度、および責められるべき点などありません。
ぜんぶ監督のせい!
ゴムのような仮面をつけられて素顔も売れず、台詞もないとくれば役者としての武器を取り上げられまくっているわけです。
殺意むき出しのダッシュ、車もヒョイと持ち上げる怪力…印象的なシーンにはいつもプーの姿がありました。
プーを背負ったクレイグ・デヴィッド・ドーセット氏に敬意をこめて、日本のイチ小市民から拍手を送ります。
②ララ役/ナターシャ・トシーニ
まあるいお胸をぷるぷるにふるわせ、ブリジット・バルドーみたいなつややかボディをさらし続けてくれたララ、最高!
セクシーな役回りを担い、自身に求められていることを完璧に把握して、正々堂々とカメラとタイマン勝負する気概が美しかったです。
ララの絶命シーンは衝撃的で、本作を代表する残酷カットでもあります
作中で、ちゃんと楽しむことができた数少ない展開のひとつが、ララにまつわるあれこれでした。
仕事を全うしてくれたナターシャ・トシーニ氏のプロ意識に感謝!
③マリア役/マリア・テイラー
ヒロインお疲れさまです!
ストーカーに傷つけられ、“トラウマと現在進行形の犯罪に心を破壊されかけているマリア”を、たまに求められるとちゃんと表現するマリア・テイラー氏、ほんとすごいです。
クソホラー展開なのに、たまに思い出したようにマリアの精神バランスを崩す、役者にとって鬼のような脚本に耐えたマリア。まじマリア様
唯一の救いは、“ラストでしっかり殺されたからもうこれ以上傷つけられずに済む”ことくらいでしょうか。
ヒロインが死ぬホラーほんと久しぶりに観ました。
プーさんホラー映画【プー あくまのくまさん】ひどいシーン3選!(ネタバレ)
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①キャラクター造形
ストーリー皆無なのだからキャラデザで怖がらせてくれる、もしくは笑わせてくれると良かったのですが、しかしひどすぎる造形。
権利関係で揉めて、あれ以上既存のキャラクターに“寄せる”ことを禁止されたのでは、と邪推してしまいました。
予算がないにしてもプーとピグレットが仮面すぎたらそもそも成り立っていないし「監督、やりたいことってこれだった…?」という哀れみの気持ちすら芽生えます。
さっきも言ったけどまじ鳥人@笑い飯
どこからどう見ても人間でしかないのに、登場人物に「人間じゃないわっ…」とか台詞で言わせるのもせこい。
どんどん腹立ってきた
②やさしいおじさん木っ端みじん
あっそうだった!私が大好きなシーンがもうひとつだけありました!溜飲が下がりそう
森で出会ったら熊さんと同列で怖そうな、どう見ても山賊なおじさんたちが最高でした。
なぜ最高かって、めちゃくちゃ良い人たちなんです。
純粋に、プーたちにいじめられているマリアとジェシカを心配し、純粋に助けにきてくれたおじさんたち。
初期「マッドマックス」のバイカーみたいな風貌で、プーににじり寄るおじさんたちが頼もしくて、うれしかったです。
一瞬で全員、プーに殺されてましたけど。
良いキャラなんだからもっと活かして、生かしてくれよ!
③設定ガバガバ
“怨みをつのらせたプーたちは、野生に戻り、言葉を話すことをやめたのだ…”みたいなナレーション説明があったにもかかわらず、たまにしゃべるプーたちに幻滅しました。
順番に殺されていくだけの女性陣はそれゆえ関係性などろくに描かれず、狭い価値観でレッテル貼りした薄いキャラクターを提示するにとどまります。
クソホラーというジャンルは存在しますが、私たちファンが愛でもって“クソホラー”と呼ぶ傑作の数々は、クソの皮をかぶった真面目な映画なのです。
みんな真剣に映画をつくっているのに、ふざけ半分で奇をてらうだけでは映画にはなりえません。
筆者、この世の映画全肯定マンとして映画を享受していますが、本作はもはや映画ではないので、ふつうに怒っています。
プーさんホラー映画【プー あくまのくまさん】を実際に鑑賞した感想と評価(ネタバレ)
ストーリー展開
前提としてストーリーが存在しないので、判定しかねます。
ストーリーを放棄してまで、本作を描かなければならない理由が自己顕示欲以外にあるならば、監督とサシで呑みながらでも聞いてやったらいいでしょう。
結末への評価
ヒロインまで無慈悲に殺すのであれば、それこそそこまでのストーリーが重要であるのに、どういうことだったのか私には意味がわかりません。
ホラーファンは血しぶきを上げれば、もれなくもろ手を挙げてよろこぶと思われているなら心外です。
私は血が見たいんじゃなく、傷が見たいんだ
心身のどちらもをギリギリとけずられて、すり減っていく傷の成り立ちが見たいのです。
本作については、「そういうんじゃないから笑」というところにも行けてません。映画じゃない、に尽きる
怖さ&グロさ
全く怖くないですが、無駄にグロいです。
無駄に
日本のレイティングはPG-12となっていました。
小学生以下のお子さまでも、成人保護者の助言と指導があれば鑑賞可能です。
幼いころから、あきらかに質の劣るものを少量摂取することも教育上よさそうだと個人的には思いますので、「映倫おしゃれだなぁ」と感じました。
再鑑賞
もういい。私は怒っている
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プーさんホラー映画【プー あくまのくまさん】ネタバレあらすじのまとめ
逆に観てみたくなったりしていませんか?
怒りを取り繕うことも考えましたが、いつの世もまっすぐな気持ちこそ相手に伝わると思いなおし、本記事を書きました。
この怒りをスクリーンにぶつけに、私は「プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち」を観にいいくつもりです。
いくんかい
まずはあなたも、U-NEXTで配信中の「プー あくまのくまさん」からどうぞ!
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