前作から9年ぶりの続編となる「インサイドヘッド2」が、8月1日に公開されました。
ライリーの脳内で指令を出す感情たちが主人公という独特な設定が観客を魅了しましたが、今回は思春期という更に複雑な人間の感情を扱います。
続編のクオリティや、あらすじについてまとめているので、ぜひご覧ください!
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この記事には映画の結末や重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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公開日 | 2024年8月1日 |
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監督 | ケルシー・マン |
原作 | なし |
脚本 | メグ・レフォーヴ |
キャスト | ヨロコビ:エイミー・ポーラー カナシミ:フィリス・スミス イカリ:ルイス・ブラック ムカムカ:ライザ・ラピラ ビビリ:トニー・ヘイル シンパイ:マヤ・ホーク イイナー:アヨ・エデビリ ダリィ:アデル・エグザルホプロス ハズカシ:ポール・ウォルター・ハウザー |
音楽 | マイケル・ジアッキーノ |
上映時間 | 96分 |
配給 | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ |
公式サイト | 「インサイドヘッド2」公式サイト |
上映劇場 | 「インサイドヘッド2」上映劇場 |
【インサイドヘッド2】のネタバレあらすじ(ラスト・結末まで)
「インサイドヘッド2」のあらすじを、起承転結に分けて紹介しています。
鑑賞前にある程度予習しておきたい方や、鑑賞後の復習したい方は、ぜひご覧ください。
起:ライリー、思春期に突入!
13歳になったライリーはミネソタの生活にも馴染み、親友もできて、ホッケーでも主力級の選手になるなど、充実した暮らしを送っていました。
そんなライリーの脳内では、ポジティブなヨロコビ、熱い性格のイカリ、しっかり者のムカムカ、怖がりのビビり、ネガティブなカナシミが指令を出して、ライリーの人格を作っています。
高校の入学を控えたライリーは実力が認められ、親友たちと強豪校のホッケー部のキャンプに招待されました。
脳の司令部も、ライリーが認められたことに沸き立ちますが、いきなり謎の工事業者が侵入してきて、司令部を解体していきます。
ライリーの思春期の突入とともに、今までと様変わりした司令部に、ヨロコビたちは動揺を隠せずにいるのでした。
承:友人の秘密を知るライリー
思春期に入って情緒が不安定になったライリーは、両親に対しても不機嫌な態度をとってしまいます。
ライリーは、キャンプ会場までの道中に、親友たちが別の高校に進学予定であり、もう同じチームでホッケーをすることはできないと知らされます。
動揺したライリーは平気なフリをしますが、一人になった途端に涙が溢れてきてしまいます。
ライリーを助けてあげたいと思うヨロコビたちの前に、思春期モードに突入したことで新たな感情たちが姿を現しました。
先のことが気になって仕方ないシンパイ、嫉妬深いイイナー、シャイなハズカシ、無気力なダリィは、同じようにライーリーを助けたい思いで指令を出し始めます。
そして、新たなライリーを作るために指揮を執るシンパイに、ヨロコビたちは司令部から追い出されてしまうのでした。
転:共感性羞恥炸裂、ライリーの思春期
シンパイたちが指令を出すようになったライリーは、キャンプで親友たちではなく、憧れの先輩たちと一緒に行動するようになりますが、背伸びをして自分らしさを見失ってしまいます。
親友たちとの関係が悪くなるだけでなく、コーチからの評価が気になって夜中に学校へ忍び込むほど、シンパイたちによる影響で行動がエスカレートしてしまっていました。
一方、ヨロコビたちはなんとか司令部に戻ろうとしますが、行動が裏目に出てうまくいきません。
シンパイなら上手くできたはずと責められたヨロコビは、自分だって分からないことばかりだと、不安を吐露するのでした。
そして、ライリーの記憶の中にある負の感情の記憶の山を見つけ、雪崩を引き起こして司令部へ戻ることを思いつきます。
結:自分らしさを取り戻すライリー
シンパイは、コーチからの評価を得るために失敗はできないと、合宿最終日の試合でライリーに無茶な行動をさせてしまいます。
チームメイトを危険に晒した行動でコーチから一度退場をさせられたライリーは、パニックに陥ってしまいました。
やっとの思いで司令部に戻ってきたヨロコビたちは、シンパイの操作によりライリーが不安定になっているのを確認し、感情たちみんなでシンパイを操作パネルから引き離しました。
そして、ヨロコビたちが負の感情の記憶と一緒に司令部まで辿り着いたことにより、ネガティブな感情も含めた新たなライリーが誕生。
パニックになっていたライリーを見て、親友たちが優しく声をかけてくれたことで、気持ちが落ち着き、親友たちと仲直りします。
これまでの行動が間違っていたこと、進学先が違っても親友でいることを約束し、ヨロコビの指令の下、再び試合を再開します。
司令部の感情たちそれぞれがお互いの感情を尊重することで、ライリーは地に足着いた行動ができるようになり、新しい高校で、自分らしさを取り戻していくのでした。
【インサイドヘッド2】ネタバレ解説!新キャラ・新しい感情は?
「インサイドヘッド2」のネタバレを含む、解説や新キャラについて紹介しました。
結末の意味など、鑑賞後に疑問に思った点の解消に、役に立てば嬉しいです!
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「インサイドヘッド2」ラスト・結末の解説
シンパイが脳内の司令部を執ったことでライリーが自分らしさを見失い、シンパイもプレッシャーに押しつぶされてしまいそうになります。
そしてヨロコビたちが救いの手を差し伸べ、ライリーに芽生えた新たな感情たちも、お互いを尊重できるようになり、ライリーも自分らしさを取り戻すという結末でした。
シンパイがパニックになっているシーンは、涙が溢れてしまいました。
すべての感情に意味があり肯定するという結末は、前作とほぼ同じようなものに思いました。
ところが、より複雑になったライリーの脳内を肯定するためにも、同じ結末を用意する意義はあったのだと感じます。
「インサイドヘッド」シリーズの原題は、「インサイドアウト」で”裏返し”という意味があります。
前作で、救いの手を差し伸べたのがカナシミで、今作はヨロコビになるので、2作合わせると、”裏返し”の意味がより強調されているのではないでしょうか。
個人的な考察ではありますが…。
2作合わせて裏返しの関係になった、「インサイドヘッド」シリーズは、すべての感情に意味があるというメッセージが、さらに強固なものになったと思います。
さりげなくタイトルの意味をハッとさせるストーリーは、さすがピクサーだと唸らされました。
「インサイドヘッド2」ライリーに生まれた新しい感情は?声優情報も
- シンパイ(マヤ・ホーク/多部未華子)
- ハズカシ(ポール・ウォルター・ハウザー/村上(マヂカルラブリー))
- イイナー(アヨ・エデビリ/花澤香菜)
- ダリィ(アデル・エグザルホプロス/坂本真綾)
以上が、「インサイドヘッド2」で新しく登場したキャラクターです。
ライリーが13歳になったことで思春期に突入し、司令部を乗っ取りライリーの行動をどんどん引っ掻き回していきます。
ヨロコビやカナシミは自発的な感情の動きですが、ハズカシやイイナーの登場により、ライリーが人の目を気にし始めたことがわかります。
見栄を張るライリーが痛々しい…。
純粋にホッケーに打ち込んでいたライリーが他人からの評価を気にすることで、自分らしさを見失っていく過程が見事に表現されていました。
「インサイドヘッド2」ではヨロコビに代わってシンパイが司令部の指揮を執り、過度な心配性ゆえにライリーを追い込んでしまうのでした。
「インサイドヘッド2」続編はありそう?考察
エンディングで、続編を匂わせるような演出もなかったことから、「インサイドヘッド3」の続編が作られる可能性は、低いように思いました。
昔の思い出が恋しく感じる、「ナツカシ」というまだメインストーリーに絡んでいない感情がありましたが、飽くまでサブストーリーのコメディ要素止まりという印象でした。
ナツカシが出てくるタイミングは総じて面白かったです(笑)
大人になると感情の起伏が穏やかになってくるので、ストーリーを盛り上げるのも難しいのではないかと思います。
そもそもピクサーは必要でない限り続編は作らないというスタンスのため、「インサイドへッド2」は例外だったというわけです。
裏を返せば、続編を作るときは相当に気合が入っている。
もし、続編となる「インサイドヘッド3」が制作されることがあれば、我々の期待を遥かに超えてくるのではないかと思います。
【インサイドヘッド2】印象に残ったキャラ3選(ネタバレあり)
「インサイドヘッド2」の印象に残ったキャラクターを紹介しています。
前作より、ヨロコビとカナシミ以外のキャラクターが深堀されている印象を受けました。
キャラクターへの理解が深まると思うので、ぜひご覧ください!
①イカリ/ルイス・ブラック/浦山迅
イカリは血気盛んなキャラクターで、名前の通り怒りっぽい性格です。
怒りというと一見ネガティブな印象を与えますが、ホッケーをしているライリーの闘争心を燃やす役割を担っています。
「インサイドヘッド2」では、意外とポジティブな一面も覗かせており、前作よりキャラクターが深堀された印象です。
イカリは前作よりかなり掴みやすいキャラクターになりました!
イカリの原語版の声優は、前作に続いてルイス・ブラックが務めました。
俳優に加えて、脚本家やスタンダップコメディアンなど多彩な才能を誇っています。
声優方面での活躍も光っています!
日本語吹き替え版は、浦山迅さんです。
「ゴルゴ13」や「忍たま乱太郎」、「あたしンち」など、国民的アニメの出演を重ねているベテラン声優で、太めの声質がイカリのキャラクターにハマっていました!
若い方は、「忍たま乱太郎」の学園長の声と聞くと、ピンとくるかも!
②ムカムカ/ライザ・ラピラ/小松由佳
ライリーの不快感や違和感を体現したキャラクターが、ムカムカです。
前作より、お姉さん気質が強調されて、しっかり者という印象が増しました。
結構ズバッというタイプ。
原語版の声優は、ライザ・ラピラが務めています。
主にテレビドラマシリーズの方面で活躍しており、2009年には、大ヒットシリーズである「ワイルド・スピード MAX」に出演しました。
前作から声優が交代しています!
日本語吹き替え版は、前作に続き小松由佳さんが担いました。
外国映画の吹き替えを主に活躍しており、アン・ハサウェイ、ゾーイ・サルダナなどの吹き替えを担当しています。
プリキュアシリーズや、セーラームーンなど、声だけ聴けば誰もが分かる存在!
③ビビリ/トニー・ヘイル/落合弘治
ビビリは、小心者でライリーに迫る危険を回避する役割を担っています。
他の感情たちと同様に前作より出番が増えており、皮肉屋という印象が増しました。
一言多いタイプですね(笑)
原語版の声優は、エミー賞の受賞経験もあるトニー・ヘイルが務めました。
「ニンジャバットマン」や「トイストーリー4」でも、声優を務めており、俳優も声優も器用にこなす、実力派俳優です。
「Veep/ヴィープ」が代表作ですね!
日本語吹き替え版の声優は、アニメや外国映画の吹き替えで活躍している、落合弘治さんです。
90年代から、長らく活躍している声優で、膨大な量の作品に出演されています。
個人的には、「メジャー」のギブソン役が印象に残っています!
【インサイドヘッド2】印象に残ったシーン・場面3選(ネタバレあり)
「インサイドヘッド2」の印象に残ったシーンを、ピックアップしました。
ド派手な映像や、繊細な表現など、さすがピクサーと唸らされるシーンばかりでした!
①爽快でスリリングなオープニング
「インサイドヘッド2」は前作「インサイドヘッド」から9年ぶりの続編ということで、本編の幕開けがどのようになるか楽しみにしていました。
優しく始まった前作とは裏腹に、今作では、ライリーがホッケーをプレイしているシーンから始まり、フルスロットルで楽しませるという心意気を感じます。
オリンピック中なのもあって、スポーツシーンから始まるのはアガる!
ライリーのプレイに合わせて感情たちの紹介をしていく構成もスリリングかつスマートで、初見の方も楽しめるようになっていました。
スリリングな映像にワクワクして、久しぶりの続編ということで、改めて設定のおさらいをするこれ以上ない幕開けだったと思います!
②思春期ど真ん中痛々しいライリー
13歳になったライリーは、思春期に突入し、前作よりさらに感情が複雑化してしまいます。
思春期特有の感情の揺らぎを、「インサイドヘッド2」では、見事に表現していました。
ライリーの思春期描写も大きな見どころです!
特に、今まで親しくしてきた友人たちより高校の先輩たちに馴染もうとするライリーは、共感性羞恥で悶える人が続出するのではないでしょうか。
親友の2人が違う高校に進学すると聞いたライリーは、高校入学後に一人ぼっちになることを恐れて先輩たちに取り入ろうとします。
明らかに自分を大きく見せようとしているんです…。
相手からは薄々気付かれているのに、必死にコミュニティにしがみつこうとする経験は、誰もが経験したことがあるはずです。
「インサイドヘッド2」では、見事なまでに思春期の痛々しい行動を具現化されていて、顔から火が出るかと思いました。
思春期大喜利は、勘弁して欲しかったです(笑)
③パニック状態のシンパイ
「インサイドヘッド2」では、ヨロコビに代わりシンパイがライリーの脳内から指令を出します。
過度な心配性であるがゆえに、ライリーは、ホッケーのキャンプでも存在感を示しているように見えますが、最悪の事態を想定し過ぎて、プレッシャーに押しつぶされそうになっていました。
何度も、もうやめてあげてと言いたくなりました…。
ライリーのためを思うほどシンパイの指令はエスカレートしていって、コーチのノートに書かれている評価が気になり、夜中に学校に忍び込むなど一線を越えていきます。
歯止めが効かなくなったシンパイは、司令部でパニック状態になって身動きが取れなくなってしまいました。
ライリーも、シンパイと連動して呼吸が荒くなっていきます。
どうにもならなくなったシンパイとライリーを助けたのは、友人からの救いの声と、ヨロコビたちが差し出す優しさでした。
自分がライリーの人格を担わなければいけない、というプレッシャーから解放されたシンパイは、他の感情たちも尊重できるようになります。
「インサイドヘッド」シリーズが一貫して描く、すべての感情に意味があるという、テーマを描いた素晴らしいクライマックスでした。
パニック状態のシンパイは、思い出すだけで涙が出てしまいます。
【インサイドヘッド2】を実際に鑑賞した感想と評価(ネタバレあり)
「インサイドヘッド2」を実際に鑑賞した感想を、項目ごとにまとました。
鑑賞をするのを迷っている方は、こちらを参考にしてみてください!
ストーリー展開
子供から大人まで楽しませるピクサー作品なので、深いテーマでありながら、難解な展開は一切ありません。
オープニングで、前作から続く設定のおさらいをしてくれるので、初見の方も楽しめる構成だと感じました。
すべての人を楽しませる心意気!
世界観にお子さんはワクワクさせられ、深いテーマに大人は涙する、理想的なファミリームービーでした!
結末への評価
「インサイドヘッド2」の結末は、すべての感情に意味がある、前作から描いているテーマをより強く感じさせる、一貫性があるものだと感じました。
着地が前作とかなり似ているので、同じことの繰り返しかと落胆する方もいるかもしれませんが、「インサイドヘッド2」に至っては、同じことをする意義がある作品だと思います。
何度だって描かれるべきテーマ!
あらゆる感情によって人間が構成されているのだとしたら、すべての感情を肯定することは自分自身を肯定するということにもなります。
思春期になると人間の感情はより複雑になって、自分を肯定することがさらに難しくなってしまいます。
「インサイドヘッド2」は、前作と同じような結末を描くことで、どんなときでもいくつになっても、自分自身を肯定していいんだというメッセージを届けました。
優しくも力強いメッセージに、私は心を打たれて感動させられました。
記録的な大ヒットで、世界中に「インサイドヘッド2」のメッセージが刺さっているのだと思います!
前作よりも…
前作より感情の要素が増えたことで、テンポが上がり情報量も増えたと感じました。
個人的にはエンタメ性が増して楽しかったのですが、忙しなく感じた人もいるかもしれません。
本当にあっという間に終わった感覚でした。
展開の早さについては好みが分かれそうですが、映像表現については前作より明確にレベルアップしていたと思います。
細かいところですが、人間の表情の変化が前作より繊細に描かれていたと思いました。
序盤で、表情により親友の秘密を見破るというシーンがありますが、ちょっとした眉の動きやしわが、繊細に描かれていました。
ライリーの顎下にニキビがありましたね!
レベルアップした映像表現や、思春期ゆえの感情の揺らぎを含めて、個人的には「インサイドヘッド2」がより好みに感じました。
再鑑賞
前作よりレベルアップした映像表現や魅力的な感情たちなど、再鑑賞したい要素はいくつもありますが、ライリーの思春期描写がリアルすぎて、2回観るのはしんどいです(笑)
あのキツさを何度でも味わいたい猛者は、ぜひ劇場へ(笑)
あらゆる意味でハイレベルな作品であることは間違いないので、再鑑賞したいと感じる方も多いと思います!
【インサイドヘッド2】ネタバレあらすじのまとめ
「インサイドヘッド2」のあらすじや、前作との比較についてまとめてみました。
前作を観ていなくても楽しめる構成ではありますが、しっかり予習したいという人は、前作「インサイドヘッド」はディズニープラスで配信中です。
会員なら何でも観れるので、予習の上、ぜひ映画館で観てみてください!
★前作「インサイドヘッド」の復習はこちらの記事で