幼いころ言われた「知らないひとについていってはいけません」という一文を、口内ひりつく思いとともに反芻する狂気の97分をあなたに。
まさに“開いた口がふさがらない”映画「胸騒ぎ」を解説いたします。
この記事には「胸騒ぎ」のネタバレを含みます。映画をまだ観ていない方はご注意ください!
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「胸騒ぎ」作品情報
公開日 | 2024/5/10(日本) |
---|---|
監督 | クリスチャン・タフドルップ |
原作 | クリスチャン・タフドルップ |
脚本 | クリスチャン・タフドルップ マッズ・タフドルップ |
キャスト | モルテン・ブリアン スィセル・スィーム・コク ほか |
音楽 | スーネ・“クーター”・クルステアー |
上映時間 | 1時間37分 |
配給 | シンカ、つみき |
上映劇場 | 胸騒ぎ 劇場情報 |
「胸騒ぎ」キャスト一覧
登場人物 | キャスト | 特徴 |
---|---|---|
ビャアン | モルテン・ブリアン | ルイーセの夫。人生に疲れている |
ルイーセ | スィセル・スィーム・コク | ビャアンの妻。他人に流されやすい |
パトリック | フェジャ・ファン・フェット | カリンの夫。生命力にあふれている |
カリン | カリーナ・スムルダース | パトリックの妻。夫と相思相愛 |
アウネス | リーヴァ・フォシュベリ | ビャアン&ルイーセの娘。ウサギのぬいぐるみ・ニヌスを可愛がっている |
アーベル | マリウス・ダムスレフ | パトリック&カリンの息子。舌がない |
「胸騒ぎ」あらすじ
デンマーク人のビャアン(モルテン・ブリアン)は、妻のルイーセ(スィセル・スィーム・コク)と愛娘のアウネス(リーヴァ・フォシュベリ)とともにイタリアを旅行していました。
きらきらと水面を照らす陽光のなか、せっかくの休暇であるはずのビャアンの顔は曇りきりです。
ルイーセとの会話はいつもどこか苛立ちを含み、アウネスに笑いかけてやることも億劫なビャアン。
家族で街を散策していると、アウネスが、大事にしているウサギのぬいぐるみ・ニヌスを「どこかに置き忘れてきた」とべそをかきます。
ビャアンは、慣れない地で住人たちに話しかけながら、必死でニヌスを探し回りました。
石垣の上で、海を眺めるようにぽつりと放置されたニヌスを発見したビャアン。
安堵のため息とともに、イタリアの美しさに押しつぶされそうなほどちっぽけな自分を憎み、ただ海を眺めます。
空の青さもつらい…ビャアンは生活に疲れています
ビャアンがルイーセたちのもとへ戻ると、彼女たちは道ばたで、見知らぬ家族と意気投合していました。
夫のパトリック(フェジャ・ファン・フェット)とその妻・カリン(カリーナ・スムルダース)、息子のアーベル(マリウス・ダムスレフ)は、オランダからの旅行者です。
アーベルには、病気のせいで舌がありません
異国の地でウサギのニヌスを探し出したビャアンを、パトリックは褒めたたえます。
2つの家族は、出会いついでに食事をし、ワインをかたむけ語らいました。
パトリックに褒められて嬉しそうなビャアン。ビャアンを“草食系”とすればパトリックは“肉食系”。ビャアンが内に秘めるのはパトリックのようなワイルド・ボーイへのあこがれでした
あらすじ”起”:オランダへの誘い
帰郷して数日が経ったころ、ビャアンたちのもとにオランダから招待状が届きます。
パトリックとカリンが、週末に自宅でもてなしてくれるというのです。
ビャアンの脳裏には、イタリアでの新鮮な関わりが思い出されます。
相変わらず日常に窮屈さを感じていたビャアンのひと押しで、さほど乗り気では無かったルイーセもオランダ行きを承諾。
ウサギのニヌスを抱いたアウネスとともに、2人は車を走らせます。
あらすじ”承”:ルイーセの“胸騒ぎ”
長旅の先には、自然豊かな田舎町とパトリックたちの家がありました。
上機嫌で家を案内してくれるパトリックたちですが、端々に違和感を覚え始めるルイーセ。
得も言われぬストレスを、デンマーク語でアウネスに吐き出しては娘を共犯関係に持ちこもうとします。
アウネスは大人しい…といえば聞こえはいいけど、いまいち意志薄弱な感じ。まさにビャアンとルイーセに感じる雰囲気を引き継いだ娘です
短い週末を満喫するパトリックとカリンが、食・酒・音楽、そして愛と人生とを謳歌せんとする様子に、ビャアンは再びあこがれの気持ちを強めていました。
一方のルイーセは、他人の領域を土足で踏み荒らすようなパトリックたちの態度に、はっきりと不快感を覚えていきます。
自分の家族が危険にさらされているような感じがしたルイーセは、不安が高まった早朝に我慢の限界を迎え、ビャアンとアウネスをたたき起こし帰路につくことにしました。
しかし、道中「ウサギのニヌスを忘れてきた」とアウネスに泣かれ、ビャアンは車を引き返します。
ビャアンはやさしいんじゃなくて、「怖い」んです。娘に泣かれるのが、嫌われるのが怖い。恐怖で支配されているひとの判断は、つねにバッドエンド。
日も上り始めたころ、パトリックたちの家へと戻ったビャアンとルイーセは案の定、起床してきたパトリックたちに見つかり、言いくるめられもう1日滞在することになりました。
結局ニヌスは車の座席の下にいました。ルイーセに気圧されたけど、ビャアン的には、もう少しパトリックと一緒にいたかったから調べ損じてしまったのかも。まじビャアンの選択やさしさじゃないかんな!
あらすじ”転”:ビャアンの“胸騒ぎ”
最後の1日は、女性チームと男性チーム、そして子どもチームに分かれて過ごすこととなりました。
ビャアンたちの無礼など無かったかのように上機嫌に過ごすパトリックとカリンに、ビャアンとルイーセは胸をなでおろします。
男2人のドライブで、パトリックに対し心のタガが外れたビャアンは、せせこましい毎日への不満を吐き出しました。
切羽詰まった様子のビャアンを、パトリックは広大な自然のなかへ連れ出します。
パトリックが虚空へ向け大声で叫ぶと、ビャアンもあとに続きました。
腹の底から解放された気がしたビャアンは、パトリックとともに食べ、呑み、踊り、笑います。
ビャアンは本当の意味で解放されたわけではありません。あこがれのパトリックに前ならえをして真似しているだけ。どこまでもフェイク
ほんの一時、人生を手中におさめたような興奮を得て、ビャアンはルイーセにキスをします。
しかし2組の夫婦が心を通わせたかのように見えた一瞬は、「ダンスを練習したから見てほしい」という子どもたちの提案によって崩れ去るのです。
あらすじ”結”(ラストシーン):石打ちの刑
踊るアウネスとアーベルを笑顔で見守るビャアンとルイーセとは対照的に、「リズムをとれていない」とアーベルを叱りつけるパトリック。
ついには、泣きじゃくるアーベルへ向けて物を投げながら激昂し始めます。
隣でうすら笑ってるカリンもおぞましい
パトリックたちのアーベルへの虐待をみて、パニックに陥ったルイーセは部屋を後にし、「さっさと明日になれ」と願うかのように眠りに落ちました。
夜中まで怒鳴り散らすパトリックの声は家中に響き、ビャアンは眠れません。
様子を見ようとベッドを抜け出しますが、なぜか家のなかにパトリックたちの姿は見当たらないのです。
家のなかを調べ始めたビャアンは、壁に貼られた数多の見知らぬ家族の写真を見つけます。
写真の家族はいずれも子ども連れでした。
ビャアンが目線を落とすと、持ち主をなくしたキャリーバッグがコレクションのように並べてあるのです。
パトリックとカリンは旅先で出会った家族連れを招いては、「消して」いた…
恐怖に苛まれたパトリックは、ルイーセとアウネスを引きずるように連れ出し、一心不乱に車を走らせました。
すぐに車がスタック!ホラーみ出てきた
もちろん追いついたパトリックとカリンによって、アウネスが捕らえられ舌を切られてしまいます。
…??????!!!!!!
茫然自失のビャアンとルイーセは、パトリックたちにしたがうまま全裸になり、寒風に震えながら谷を降りていきます。
抱き合うビャアンとルイーセに、パトリックとカリンは石を投げつけ続け殺害しました。
……おえぇ
時はたち、日差しは残酷にも美しいまま、観光地ではしゃぐ子どもたちを照らしています。
車を運転するパトリックとカリン。
後部座席には、ニヌスを抱いたアウネスが口をつぐんだまま座っているのでした。
映画「胸騒ぎ」はグロい?
人体損壊シーンは直接的に描かれないのでグロさはありません。
ただ、幼い子どもを含む被害者たちが信じられないくらい酷い目にあいます。
筆者個人的には、ホラー映画においてトラウマ描写はマストだと思っているのでナイストラウマではあります
ちなみに、とんでもないことになるアウネスを演じたリーヴァ・フォシュベリはもちろんプロの俳優であり、撮影時は以下の通りの配慮が施されています。
あの場面はスタジオとロケ地で撮影したものを組み合わせていて、クローズアップのシーンは、リーヴァと口もとがそっくりな29歳の女性に演じてもらいました。そんな風にリーヴァには出来る限り負担をかけないようにしたんです。
CINRA:受容の限界を見誤った先の最悪な未来──ダークな風刺が効くホラー『胸騒ぎ』監督に聞く
https://www.cinra.net/article/202405-speaknoevil_imgwyk
映画「胸騒ぎ」に年齢制限はある?
レイティングはPG12です。
保護者の助言と指導があれば12歳未満のお子さまも鑑賞可能とされています。
直接的な残酷描写がないことが、年齢制限をまぬがれた理由でしょう。
印象が強く、シンプルながら多角的な意味を含んだシーンが多いので、色んな世代と一緒に観て考察するのも楽しいかもしれません。
幼いころにマイケル・ジャクソン「Thriller」のMVを見たことが、ホラー好き人生のはじまりだった私。映画「胸騒ぎ」も人格形成に影響するくらいのインパクトありそう
映画「胸騒ぎ」ネタバレ
胸騒ぎの重要なネタバレを4つ紹介します。
※クリックすると見出しへ飛べます。
ネタバレ①人間の振る舞いについての映画
“放棄とあきらめの夫婦”であるビャアンとルイーセ。
互いに自分軸を持たない夫婦は、どこかで聞きかじった良さげなこと、善良っぽいことに寄りかかることで日々をしのいでいます。
常にうつろな面持ちでその場しのぎばかりするビャアン、魚を食べながらベジタリアンを自称するルイーセ、似たような中途半端さを持ち寄ったバランスの悪い夫婦
「他者を尊重できる、善い人間でありたい」と思うのは素晴らしいことだけれど、まず自分とパートナーを尊重できていないのです。
自己犠牲は適切に扱わないと澱のように身体にたまり、自分を追い込んでいく凶器のようなものだと思います。
自分とパートナーをないがしろにしながら取り繕う“善良”は、気づかぬうちに地獄行きのレールに自らをはめ込んでいきました。
対してビャアンたちを迎え入れるパトリックとカリンは狡猾で、罪悪感を利用して巧みに2人を追い込むのです。
「人からどう思われるか」に特化したビャアンたちをマインドコントロール下に置くことなど、パトリックたちは朝飯前
元々ちぐはぐだったビャアンとルイーセが、パトリックとカリンから意図的な洗脳を受けながら壊れていくさまが見どころです。
とはいえ他人の生き方をとがめる権利など誰にもない。「パートナーとのコミュニケーションを大事にしよう」と襟を正すのみです
ネタバレ②“空気系親父”がもたらす害
母が子育てをし父が外で働く、いにしえから営まれてきたタイプの家族のかたちは、ときに“空気系親父”を爆誕させます。
「俺は枠組に囚われた被害者なんだ」といわんばかりに、家族のことを家計という名のむちで殴りつけてくる窮屈なものと認識しているビャアン。
己が選んだはずの人生を嘆いて、責任転嫁を続けた先に現れたのは“空気化”した自分でした。
ビャアンは世間体に捉われた退屈な男として描かれます。自分自身「退屈だ」と思いながら、退屈であることを選んでる
つまらない毎日をたゆたいながら、「大丈夫。人生こんなもの」と自分自身に正常性バイアスをかけ続けています。
正常性バイアスは、異常なことが起こった時に「大したことじゃない」と落ち着こうとする心の安定機能のようなもの。日常生活では、不安や心配を減らす役割があります。しかし、緊急事態では逃げ遅れなど、危険に巻き込まれる原因にもなります。
日本赤十字社:知ってほしい! 避難の妨げになる「正常性バイアス・同調性バイアス」
https://www.jrc.or.jp/about/publication/news/20210901_020612.html
ビャアンの正常性バイアスは、共に暮らしてきたルイーセとアウネスにも派生していたため、最後までパトリックたちの元から逃げられませんでした。
ヤバいかもと思ったら逃げるべし!命より大事なものはない
ネタバレ③ウサギのニヌス
ウサギのニヌスがあばく夫婦関係を、筆者個人的にはとてもおもしろく見ていました。
冒頭、ニヌスを見失ったアウネスに代わり嫌々ながら“迷子探し”に出かけたビャアンには「やさしい」という印象を受けたのです。
しかし、前述した“空気系”の人物であると気付いてからは、ビャアンの行動のすべてに自主性がないことに悲しい気持ちになりました。
ひと口に自主性がない、といってもビャアンに関しては「自分の頭で考えることを怠ってきた」という方が適切かもしれません。
ニヌスを探しに行く際も妻と娘の圧を感じて「やれやれ」みたいな「はいはい、俺が行きますよ」みたいな雰囲気
中盤でルイーセが「逃げる」と決断した際もニヌスによって車はUターンするわけですが、思考することをあきらめて生きてきたビャアンの咄嗟の選択は、最悪よりもっと悪い結果を生むものでした。
「まだパトリックたちの家に滞在していてもいいなぁ」と思っていたビャアンにとって、アウネスのニヌス紛失は渡りに船。
ニヌスに関するビャアンの行動は、すべて“娘のため”という口実を隠れみのにしたいびつな自己愛と感じました。
実はぬいぐるみガチ勢の筆者、同じくぬいぐるみを愛する夫と「同じ状況になったら発狂しながら迎えに戻ってしまうな」と苦笑いしました
アウネスがニヌスを抱くラストシーンは、もしかすると「ぬいぐるみを取りに帰ったら両親がいなくなっちゃったね」という意地悪な意図かもしれませんが、私はニヌスがいてくれたことが唯一の救いと感じました。
ネタバレ④ブラムハウスでリメイク決定
日本公開に先駆け、アメリカの人気映画制作会社であるブラムハウス・プロダクションズにて本作のリメイクが決定しています。
決定キャストはジェームズ・マカヴォイ!
ビャアン役のモルテンがマカヴォイに似てるなぁ…と思いながら見ていたので、リメイクのニュースに飛び上がって喜んだ筆者。マカヴォイ主演の「フィルス」って映画が人生ベストに好きなんです
外見がモルテンと似ていることでの配役かと思いきや、マカヴォイが演じるのは相手役のパトリック!
ブラムハウス・プロダクションズとも親交の深いM・ナイト・シャマラン監督「スプリット」でマカヴォイが演じた、悲哀あふれる殺人鬼を思い返しました。
表面的でない人物像の表現に長けたマカヴォイによるリメイク、楽しみでなりません。
映画「胸騒ぎ」の鑑賞者による評価・感想
ストーリー展開
“よく知らない相手から家に誘われる”という映画「胸騒ぎ」の核となる事象から、ウサギのニヌスのエピソードに至るまでタフドルップ監督の実体験が散りばめられています。
私的な映画だからこそ、細部に魂が宿ると思います。タフドルップ監督の肌で感じた本物の感情が、“居心地悪いあるある”となって観客それぞれの経験と重なっていく気持ちよさ(居心地悪いのに気持ちいいって不思議)。
リアルベースでありながらトンデモ展開で楽しませてくれる、エンタメ性のあるストーリー展開がおもしろかったです。
さらにうれしい、配役にもひそむリアリティ。
俳優陣の中で役に入ることを一番楽しみにしていたのが、みんなが最も嫌がりそうなオランダ人夫婦役を演じたフェジャ・ファン・フェットとカリーナ・スムルダースでした。彼らは実の夫婦でもあるんです。
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精神的疲労
本作では、効果音と劇伴が観客の“胸騒ぎをあおる”のに重要な役割を果たしています。
冒頭から、とにかくほとんど全てのシーンの背後には、不安で不穏な音楽が流れ続けていました。
平和なはずの日常世界ですら、恐怖の前触れに見えてしまう音響マジック!
劇場の椅子に縛りつけられて、変えることのできないバッドエンドまでのカウントダウンをただ眺めるストレスは、相当なものでした。
耳から不幸に、目から地獄になれるホラー映画ファン垂涎のハイパートラウマ作!
ありがたく疲れさせていただきました!
グロ度
前述の通り、全くグロくありません。
血が流れるカットすらなかった記憶
他人同士の、価値観のすれ違いをメインとした物語なので、内面に潜り込むような陰湿な怖さが持ち味です。
終盤で一気に“サイコホラー度”を上げますが、大半はサスペンス・スリラーの様相を呈しています。
再視聴
本作を観て、「やさしい人にはなりたいけど、いい人すぎるのも考えものだな」と思いました。
日常生活でも、やさしさが裏目に出ることや、思いやりのバランスが取れなくて悲しい気持ちになることがあると思います。
家庭・学校・職場…他人と関わるのってほんとうに難しいですよね
欲しいものは「欲しい」と言うこと、つねに自分の価値観に疑問を持ち続けること。
そして、人間も獣なのだということを忘れずに、「胸騒ぎ」というシンプルなSOSを見逃さないで命を守ることが人生には必要であると、映画「胸騒ぎ」に教えてもらいました。
以上のことを忘れそうになったときは、再視聴して自分を律したいと思います。
北欧ホラーが今アツい!ミッドサマーやイノセンツに次ぐ「胸騒ぎ」
本作の舞台であるオランダは、北欧ではありません。
本作が“北欧ホラー”ってことは、“デンマーク人であるビャアンたち夫婦の内面描写こそが肝”ってことかも。
タフドルップ監督がデンマーク人であり、同じルーツをもつラース・フォン・トリアー監督の影響を受けていることも“北欧ホラー”とくくられる理由の一端でしょう。
鬱映画代表監督であるトリアーからの影響、トリアーへのリスペクト、ひしひしと感じました
北欧ホラーは圧巻のロケーションと、陰りのある色彩が特徴です。
世界的ヒットとなったアリ・アスター監督「ミッドサマー」(2019)しかり、子どもの残酷性を描いたエスキル・フォクト監督「イノセンツ」(2021)や、承認欲求におぼれる女性の悲劇を昇華したクリストファー・ボルグリ監督「シック・オブ・マイセルフ」(2022)など、心のありさまを視覚化する恐怖映画が多いのも北欧ホラーの魅力でしょう。
「シック・オブ・マイセルフ」すきすぎてグッズのTシャツ買い占めて日々着回してる私
北欧が舞台であるか、監督のルーツが北欧であるかで北欧ホラーとされるみたいです。
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まとめ|「胸騒ぎ」の直感は絶対に信じた方が良い
劇中に「きみが差し出したんだ」という印象的なセリフがありましたが、本作は“自分の人生をあきらめることが一番の悪だ”と言っているように感じました。
だからって石打ちはキビィ
ビャアンとルイーセが軽んじた「胸騒ぎ」という本能的なSOSサインをキャッチできるくらいには、自分に正直でありたいと思います。